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重野整体院


斜角筋症候群

斜角筋症候群は胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)の一つで、首の頸椎の横から始まって第一肋骨まで伸びる前斜角筋と中斜角筋の間の斜角筋隙(しゃかくきんげき)を通る腕神経叢(わんしんけいそう)、鎖骨下動脈が牽引されたり、圧迫されるなどして主に上肢の痛みやしびれなどをおこします。簡単に説明するとこのようになるのですが、これを踏まえてもう少し詳しく解説していきます。

頸椎と斜角筋

斜角筋症候群に影響するのは頸椎周辺の斜角筋や肋骨になります。 背骨は脊柱とか脊椎とも呼ばれますが、頸椎はそのうちの首部分の骨を指し主に頭を支えています。背骨は椎骨と言う1ブロックごとの骨が椎間板というクッション的な働きをする繊維軟骨を間に挟み、椎骨の後方の関節突起でもつながって連なり構成されています。

頸椎はそのうち第一頸椎(C1)から第七頸椎(C7)までです。背骨の周りには靭帯や筋肉などがあり、背骨を支えたり身体の動きをおこします。今回テーマになる斜角筋は、頸椎と肋骨をつなぎ、首を主に前後(主に前)に曲げたり、横に左右に曲げたりする働きと、第一肋骨と第二肋骨を引き上げて深呼吸などの意識的な呼吸を補助する働きもあります。

この斜角筋は胸鎖乳突筋、頭板状筋、頸板状筋という首の表面の筋肉に覆われて皮膚の上から触れられません。斜角筋には前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋がありますがその中でも斜角筋症候群で問題になるのは前斜角筋と中斜角筋になります。

前斜角筋と中斜角筋

前斜角筋はC3またはC4~C6またはC7の頸椎の左右の横突起の前の結節から、一番上の肋骨である第1肋骨の前斜角筋結節(リスフラン結節)までつながっています。 中斜角筋はC2またはC1~C7の頸椎の左右の横突起の後ろの結節から、第一肋骨鎖骨下動脈溝後方突起までつながっています。 前斜角筋と中斜角筋は頸椎から隣り合って伸び、第一肋骨での停止位置も隣り合うので、前斜角筋と中斜角筋と第一肋骨からなる三角形の隙間ができます。これが斜角筋隙です。

斜角筋隙を通る神経と血管

斜角筋症候群では腕神経叢という神経と、鎖骨下動脈という血管が斜角筋隙で牽引や圧迫を受けて症状をおこします。

腕神経叢とは

腕神経叢とは背骨を通る脊髄からでる脊髄神経が枝分かれして伸びる神経のうち鎖骨、上腕、前腕、手に伸びる神経叢のことです。背骨の脊椎を神経根として伸びるので、腕神経叢は第5頸神経~第8頸神経と第1胸神経と、神経根の位置別に分類できます。 それぞれが支配する運動を次にあげていきます。

  • 第5頸神経・・・肩の動き
  • 第6頸神経・・・肘の曲げる動き
  • 第7頸神経・・・肘と手首を伸ばす動き
  • 第8頸神経と第1胸神経・・・指を曲げる動き

これらは主だった働きをあげたものになります。これらの神経はそれぞれ隣り合う神経を補うようにも働きます。斜角筋症候群では腕神経叢が斜角筋隙を通り牽引または圧迫されると、その支配領域に痛みやしびれなどがでる他、それぞれの支配する運動に支障がでたりします。

鎖骨下動脈と鎖骨下静脈

そもそも動脈は心臓から全身に向けて栄養や酸素を運んでいます。静脈は全身の老廃物や二酸化炭素を心臓に向けて戻すことでその排出を行っています。 鎖骨下動脈は身体の左右に伸び、鎖骨の下を鎖骨下静脈と並んで伸びますが、斜角筋のところで分かれます。鎖骨下動脈は斜角筋隙を走るのに対し、鎖骨下静脈は前斜角筋の前を走ります。従って斜角筋症候群で障害されやすいのが鎖骨下動脈になります。

斜角筋症候群以外の胸郭出口症候群

胸郭出口症候群には他にも頸肋症候群(けいろくしょうこうぐん)、肋鎖症候群(ろくさしょうこうぐん)、過外転症候群(かがいてんしょうこうぐん)があります。

それらはどれも胸骨、胸椎、肋骨で囲まれ心臓と肺が納まっている胸郭というところから血管や神経が腕に伸びるための出口でおこるので、胸郭出口症候群という大きな分類にまとめられています。

胸郭出口は、斜角筋症候群では先ほど説明したように斜角筋隙になり、頸肋症候群では頸肋骨と斜角筋の間、肋鎖症候群では鎖骨と一番上の肋骨の間の肋骨間隙、過外転症候群では腋の近くにある小胸筋やそれが付着する烏口突起(うこうとっき)後ろになります。

このように牽引や圧迫を受ける場所によっても細かく分類し、それぞれに合った治療を行います。治療法には違いがみられますが、メカニズムや症状はどれもほとんど同じです。

斜角筋症候群の症状

先ほどもふれましたが、斜角筋症候群も他の胸郭出口症候群も同じような症状が現れます。 鎖骨下動脈が牽引や圧迫などの障害を受けると腕や手の血行不良がおこって痛みます。鎖骨下静脈が障害を受けると腕や手の血の戻りを阻害されて青紫色になります。腕神経叢が障害を受けると腕や手に痛みの他様々な神経障害が現れます。このように血管性の症状と、神経障害による症状が複合的に現れます。具体的には次の通りです。 例えば吊革につかまるような腕をあげる動作によって、腕や肩など腕神経叢の支配領域に痛みやしびれなどがでます。また手指や腕、首が重だるく感じたり、握力が低下したりして細かい動作がしにくくなります。他にも首や肩にコリをおこします。痛みも激しく痛んだり、うずくように痛んだり痛み方にばらつきがあります。また、指先が冷えるレイノー現象がでます。動作や姿勢によって圧迫が強くなったり弱くなったして、症状もその強さも一定しませんが、その変化も長期間患っているうちになくなります。深刻になるとめまいを感じたり耳鳴りがしたりなど、自律神経失調症にも似た症状がでます。

斜角筋症候群の原因

斜角筋が緊張し硬くなることで血管や神経を牽引または圧迫し症状がでるのですが、斜角筋がなぜ緊張するのかははっきりとはわかっていません。しかし呼吸の浅さや、ストレス、スマホなどを見る姿勢、スポーツ障害や、仕事での負担などが関わっているのではといわれています。また、なで肩であるなどの原因もあるようですが、それはまた胸郭出口症候群のページで解説します。今回は特に斜角筋症候群の原因となる可能性のあるものについて説明します。

呼吸の浅さ

呼吸するには肺を膨らませたりしぼませたりを繰り返す必要がありますが、この時に胸郭を拡大や収縮させる筋肉を呼吸筋と言います。呼吸筋には横隔膜、内肋間筋、外肋間筋、胸鎖乳突筋、斜角筋、腹直筋などがあります。浅い呼吸がこれらの筋肉にも不調をおこし斜角筋症候群をおこすと考えられます。そのメカニズムについて詳しく説明していきます。まず初めに正常時安静呼吸と努力呼吸についてふれておきます。これらではそれぞれ少し違う呼吸筋が使われます。

正常時安静呼吸

普段の安静時に行っている呼吸です。息を吸う時は横隔膜と外肋間筋の収縮で胸郭が広がり肺に空気が送り込まれ膨らんでいきます。息を吐く時はこれらの働きが緩み肺の空気が排出されます。

努力呼吸

深呼吸など意識的に行ったり、十分な呼吸量が得られない時に行われる呼吸です。努力呼吸では、息を吸う時は正常時安静呼吸の横隔膜、外肋間筋の収縮にプラスして胸鎖乳突筋、斜角筋などが補助的に働き収縮し、吐くときは横隔膜、外肋間筋の緩みにプラスして内肋間筋、腹直筋などが補助的に使われます。

呼吸にはこのような仕組みがありますが、浅い呼吸が軽度の場合は呼吸筋の運動不足がおきます。深刻になると呼吸筋の運動が過剰になります。それぞれで斜角筋にも影響し斜角筋症候群をおこす可能性があります。

①呼吸筋の運動不足

筋肉は収縮して硬くなりやすい性質を持っています。筋肉が収縮するとはつまり筋肉に緊張がおきている状態です。浅い息ばかりで呼吸筋の運動が減ると筋肉が収縮してしまいます。

また、深呼吸などの努力呼吸がないと、斜角筋などの補助的な呼吸筋は使われないのでこれらの筋肉も収縮し硬くなってしまいます。姿勢にも影響が現れ猫背になります。猫背になるとよけに深い呼吸がしにくくなり呼吸が浅くなります。このように悪循環を生み斜角筋症候群をおこす可能性があります。

②呼吸筋の過剰な運動

―呼吸困難感の影響―
呼吸困難感は精神的なものに左右されておきやすく、継続しておこる場合でも比較的軽症であることが多いですが、激しい過呼吸などの呼吸困難をおこすと気を失ってしまいかねません。斜角筋に急激に負担がかかったり、長期間の負担が蓄積すると斜角筋症候群をおこす可能性があります。

―呼吸器疾患の影響―
特に慢性化したような気管支炎、気管支喘息、肺気腫、間質性肺炎などの患者は呼吸困難などの自覚症状は少ないものの、多くの患者の斜角筋に筋肥大がみられ斜角筋症候群の症状もみられます。

―呼吸不全の影響―

先ほど説明したような呼吸器疾患の他にも、様々な病気や外傷から一定の基準を満たすと呼吸不全と判断されます。具体的には動脈血酸素分圧が60torr以下になると呼吸不全です。基準値の酸素は80~100torr程です。さらに二酸化炭素分圧については45torr未満がⅠ型呼吸不全、45torr以上をⅡ型呼吸不全になります。こちらの基準値は40torr 程です。十分な酸素や栄養を得られないので努力呼吸が必要となり斜角筋症候群をおこす可能性があります。呼吸不全には急性呼吸不全と慢性呼吸不全があります。呼吸不全が1ヵ月以上続くと慢性呼吸不全になります。

急性呼吸不全
肺炎や敗血症、ショック、刺激性のガスの吸入などが原因となり呼吸困難、呼吸数の増加、頻脈、チアノーゼ、努力呼吸などがおき、深刻になると意識障害などをおこします。原因疾患の症状の他、斜角筋に負担がかかると斜角筋症候群の症状をおこす可能性もあります。急性呼吸窮迫症候群(きゅうせいこきゅうきゅうはくしょうこうぐん)と呼ばれることもあります。
慢性呼吸不全

慢性呼吸不全は徐々に進行していくと慣れてしまい自覚症状がでにくくなります。原因疾患のほとんどは慢性閉塞性肺疾患です。これは最近COPDという呼び名でも知られるようになってきましたが、主にたばこの喫煙が原因になる病気です。他にも肺線維症や肺気腫などが原因になります。

急性呼吸不全と同じような呼吸数の増加やチアノーゼ、やせてしまったりします。他にも胸鎖乳突筋や斜角筋に肥大がみられたり、鎖骨の上がへこんだり、口をすぼめるようにして呼吸をしたりなどの様子から努力呼吸を確認でき、斜角筋症候群をおこす可能性があります。

―脳呼吸による影響―

これまでは肺呼吸について説明してきましたが、脳も呼吸を繰り返しているという考え方があります。脳の呼吸を一次呼吸、肺の呼吸を二次呼吸といい、特にカイロプラクティックの分野で研究が進められています。 脳は脳脊髄液を作る時に膨らみ、それを排出する時に収縮します。これが脳の呼吸です。

脳の脳髄液の量を一定に保つことで、脳にかかる圧力を一定にするために行われているといわれています。脳脊髄液の排出は脳の毛細血管をはじめ様々な所で行われていると考えられていますが、この排出がうまくいかなくなると一次呼吸の乱れをおきます。

一次呼吸のリズムは頭蓋仙骨リズムといい、正常な場合は1分間に6~8回くらいで、頭に両手をのせてみると、自分でも頭の骨の広がりを感じられます。肺の二次呼吸のリズムは1分間に16~18回くらいになります。一次呼吸のリズムは二次呼吸のリズムに影響し、一次呼吸が乱れることで二次呼吸が乱れ、体内に酸素や栄養が十分にいきわたらなくなります。

それにより脳や筋肉や血流など様々なところに不調が現れます。特にこの不調は頭、首、肩などに現れ、斜角筋にも影響を及ぼします。また、呼吸が十分ではないのでそれを補うために努力呼吸が増え斜角筋などの呼吸を補助している筋肉を使う努力呼吸が継続的に行われます。この斜角筋の緊張から斜角筋症候群になる可能性があります。

ストレス

精神的にストレスを感じると、脳にも負担になり身体の血流や呼吸、心臓などの内臓の動きをコントロールしている自律神経のうち交感神経が亢進し身体は緊張状態になります。具体的には筋肉の緊張、呼吸数や脈拍の増加など身体がいわば臨戦態勢に入ります。

反対に自律神経のうち副交感神経が亢進するとるラックスが促され、交感神経と副交感神経はうまくバランスをとって私たちの身体を維持しています。

ですから交感神経の亢進が一時的なものであったなら当たり前の反応で問題とはなりませんが、このような緊張が長期間続いたり、強烈なストレスがかかると、自律神経のバランスが崩れ交感神経が過剰に亢進します。そうなると筋肉の緊張がおき斜角筋も硬くなり、呼吸数も上がり浅い呼吸が繰り返されます。

また、【呼吸の浅さ】の呼吸筋の運動不足や呼吸困難感、脳呼吸の乱れもストレスや自律神経の乱れが原因となる場合があります。【ストレス】と【呼吸の浅さ】は相互に影響しあい悪循環を生む可能性もあります。

スマホを見るうつむいた姿勢

スマホだけに限りませんが、パソコンやゲームなどでの少しうつむいた姿勢が斜角筋の負担になることがわかっています。最近ではスマホ首とも呼ばれる姿勢です。肩や首のコリで一番よく言われるのが肩から背中にかけてある僧帽筋のコリです。

しかし、スマホが普及することで増えてきたのが前斜角筋のコリです。僧帽筋のコリの場合は肩を動かすなどで自分でも簡単に解消することができますが、斜角筋は表面の筋肉に覆われており直接触れられないので、自分ではコリを解消できずに悪化させ斜角筋症候群をおこす可能性があります。

スポーツ障害

ラグビーや柔道など相手と接近してぶつかり合うようなスポーツや事故などで斜角筋を痛め斜角筋症候群をおこすこともあるようです。 また、ウェイトリフティングなどで重い物を持って上に引き挙げる動作、サッカーのヘディングのようにボールの負担を首に受けながらひねる動作などで斜角筋に負担がかかり続け、まれに第一肋骨が疲労骨折をおこすこともあります。これらに関連し斜角筋症候群になる可能性もあります。

仕事での負担

美容師や教師など、腕を挙げて使うことの多い職業でも斜角筋の負担が蓄積することで斜角筋症候群をおこす可能性があります。

斜角筋症候群の鑑別

胸郭出口症候群ではいくつかのテストによって検査が行われますが、他の胸郭出口症候群と鑑別を行うには鎖骨下動脈に造影剤を注入しレントゲンで血管の撮影をすれば、どこで圧迫があるのかを知ることができ確定診断につながります。 自分で試してみる方法としては、斜角筋の緊張があるかどうかを見る方法があります。鎖骨の上を押してみて痛みを感じるようだと斜角筋に負担がかかっていると判断できます。

斜角筋症候群の治療方法

痛みの出るような腕を挙げるなどの動作を避けます。病院では消炎鎮痛剤やビタミン剤などが処方されたり、装具を装着するなどの保存療法がとられます。保存療法で効果がみられなかったら前斜角筋と中斜角筋を切り離す手術が検討されます。

斜角筋症候群は他の胸郭出口症候群と同様に急激に悪化するような疾患ではありませんが、短期間で完全に治るというよりか、多くの場合うまく付き合いながら治癒を目指すような経過をたどります。

そのため病院での治療も一進一退を繰り返しながら長引くこともあるようです。そのような時は、首のコリやストレスに対するアプローチが重要だと言えます。

斜角筋の緊張は首のこり

斜角筋症候群での斜角筋の緊張とはつまり多くの場合は「首のコリ」を指します。打撲や外傷のある時は炎症を抑えることが第一ですが、それ以外でおこる斜角筋症候群に有効なのは首のコリを緩和させることにあります。何回かふれていますが、斜角筋は表面の筋肉に覆われ直接触ることができません。

しかし斜角筋を触らずとも、自分でも簡単に斜角筋をほぐせるストレッチをご紹介します。急に動かしたりせずにゆっくり行いましょう。首にはたくさんの神経があるので不安のある方は整体師などの専門家の施術を受けられると良いでしょう。

『斜角筋のコリをほぐすストレッチ』

①片方の手を反対側のこめかみにあてがいます。
②ゆっくり無理せず、首を真横に倒れるところまで倒して20秒そのまま伸ばします。 これを左右行います。

ストレスを解消する

斜角筋症候群は筋肉や呼吸との関係も深いので特にストレスの影響を受けやすいと言えます。人間関係や、仕事や勉強のプレッシャー、育児や介護などストレスの原因は様々考えられます。

可能ならばストレスのある状況から少しの間でも距離を置けると良いのですが、それはなかなか難しくもあります。そんな時はちょっとした気分転換ができるような趣味を持ったり、美味しいものを食べるなど、楽しかったり嬉しかったりすることを少しでもするようにしましょう。

また、睡眠不足や運動不足、栄養の偏りもストレスの原因になったり、ストレスでおこったりします。その解消を目指すことでフィジカル面からの改善をはかります。

斜角筋症候群のまとめ

斜角筋症候群は胸郭出口症候群の中でも最も現代社会の影響を受けやすいと言えるでしょう。ストレスとスマホは今や現代病の原因の筆頭にあげられるのではないでしょうか。 他の胸郭出口症候群についても違うページで詳しく説明できたらと思います。

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